細山田匡宏 Masahiro Hosoyamada

細山田匡宏(ほそやまだまさひろ)

「人」が「猫」と名付けた生き物。
彼等は何者だろう
「人」は「猫」の想いを勝手に想像する
それは自分自身の想い
人の心を映し出す鏡のような存在「猫」
あのクールな眼差しに、今日も何かを感じる

目を閉じ、心を無にし、ただ降りて来るイメージを具現化する。
できるだけ忠実に、我を交えないように。
ゆっくりと、静かに、その塊は形を現す。
そして瞳に光が射すとき、そこに命が宿る。

猫など興味もなかった。
以前は、自身でも難解で首を傾げたくなるような
不思議な作品を造っていた。
愛猫ソラに出会うまでは・・・。
猫作家である彬香子の制作活動に参加する形で猫を造り始め、
魅了され、はまった。
しかし形は変わっても、彼のメッセージは変わらない。
彼が表現したいもの、それは愛。
そして宇宙という名の大きなひとつの命。
すべてのものが繋がり、絶妙に調和し存在している、
そのことを感じる瞬間の安堵感ややすらぎ。
ここに存在している全てのものへの感謝。
彼の作品の前で、ある人は涙を流し、
ある人は立ち止まったまま動かなくなる。
そこに昔愛した飼い猫の面影をみる者、
まるで呼吸しているかのような緻密な猫像に息を呑む者。
そして彼の自由で囚われのない発想力、想像力に引き込まれ、時間を忘れる者。

「猫でなくては駄目なんだ」と彼は言う。
他の生き物を造らせても猫に勝るとも劣らない創造力を持つ細山田。
しかし彼の表現したいものと猫が、絶妙に重なるのだ。
猫のもつ霊的で神秘的な存在感。
そして捕らえ所のない自由さに、彼は光をみた。

初めて出会い、5年間、共に生きた愛猫ソラとの別れを経験し、
彼の作品造りへの想いがより深みを増す。
彼と猫との出会いは宿命なのだと確信する。
そして天職を得たこの幸福な作家が、これからどんな作品を造り出すのか、
楽しみは尽きない。
ただ伝えたくて、ただ確かめたくて、彼は今日も造り続ける。
彼にとって「造る」ことが、「祈り」なのだから。

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細山田匡宏ギャラリー MASART

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目を閉じ、心を無にし、ただ降りて来るイメージを具現化する。
できるだけ忠実に、我を交えないように。
ゆっくりと、静かに、その塊は形を現す。
そして瞳に光が射すとき、そこに命が宿る。

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彬香子
Kyoko Aki